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@kai_mutterの二次創作置き場

オタクが常にジャンルを反復横跳びしてる

よくある夢の結末
・未来ブルーノさん→遊星→ブルーノさんみたいなやつ。
・未来ブルーノさんに抱かれるけどブルーノさんを思い出してわあーーとなってくれ…。
#ブル遊 #IF

 同じ人間だ。至って簡単な理由。だから同じキスをするのだって当然なのだ。それでも俺の中では、目の前で幸せそうに俺に口付ける青年と、瞼の内側に思い出される青年とが、全く別の存在として浮かび上がるのだった。本質的な異質さが俺の全身を駆け抜ける。そうして、その衝撃で思い出したブルーノの姿が、否応なしに俺の中に再び焼き付いてしまって、気がつけば目尻に水が溜まっていた。
「……遊星、ごめ、なんで、泣いてるの……」
 ボクいまひどいことしたよね。そう言うブルーノに「違うんだ」と声を掛けたい、なのに胸の真ん中を強く打ち砕かれたように、俺は言葉もなにも吐き出すことができなかった。息すら掠れて、ただ只管天井をぼうと眺めるしかなかった。ブルーノはその手前で困惑した表情を浮かべて、どうしていいかわからない、と目で訴えていたが、何も伝えられない。記憶の中の彼の姿を追い求めていて、俺は、今ようやくそのことに気付いたのだから。ひどく愚かしい想いが、俺の罪を暴く。閉じた両目の奥に広がった、ブルーノという光の中に俺の影が映り込んで、彼の眩しさを汚す。
「遊星、遊星……ごめん、ごめんなさい、泣かないで、君に泣かれてしまうと、ボクは、……」
 ブルーノ。あぁブルーノ。済まない、ひどいことをしているのは俺なんだ。絶望をお前に与えまいとしたのに、俺は再び罪を重ねていたのか。やさしいお前に、これで何度悲しい思いをさせているのだろう。できる事ならこんな時代から逃げてしまって、あの、幸福な時間に戻りたかった。叶わぬから人はそれを夢と呼ぶ。夢だ。俺はもうすぐ目が覚めて、そしたら目の前で、あの彼が笑っているのだ。
 けれども瞼を開けたところで世界は変わっていなかった。哀情を滲ませた瞳が俺を見下ろしていて、記憶の中のブルーノと同じ手つきで青年は俺の髪を撫でる。
「遊星、お願いだから、そんな顔をしないで……」
 痛みを分かち合うように額をくっ付けて、ブルーノは俺を抱きすくめた。そのうち彼の肩が震え始めて、あぁ泣かせてしまったな、と、遠くでぼんやり思った。ただ俺はお前に笑って欲しいだけなのに。世界は未だ、俺の手に落ちてこない。畳む